森田療法初心者懇談会

初回のカウンセリングを受けてから森田療法の自助会について調べ、初心者懇談会というのがあることを知り、直近の開催日に参加してみようと思った。

この頃は強烈な孤独感に毎日襲われており、とにかく人と接したいと本能ながらに思っていて、常に胸が張り裂けてしまいそうな感覚だった。


不安と緊張に襲われながらも、藁にもすがるような思いで会場に向かった。カウンセリングから3日後のことである。

到着すると既に何人か人がおり、そして動悸がしてきてしまったが、これは初めて来る場所にいるんだから、緊張によるものなんだと自分に言い聞かせた。


時間になると司会者の方が場を進めていく。

司会者は3人いて、どの方も自助グループの会員とのこと。

参加者は僕以外に4人で、30代が1人、40代が2人、70代が1人だった。


初めに司会者の方が自分の生い立ちや症状について、森田療法と出会ってどうなったかといった話をしていく。

その後、参加者がそれぞれ自己紹介をし、自分の症状や悩みを話していく。


本当に症状は人それぞれで、うつ病、吃音障害、同性愛恐怖等様々だった。

そして自分が話す番になって自分のことを話し始めると、泣きそうになった。

でも、自分のことをある程度赤裸々に他人に話すことは初めてで、話し終えるとどこかすっきりした気分になったのも確かだった。


ちなみに司会者の方達から軽いアドバイス森田療法の本を読んでみたり、別の自助会に参加してみるよう促されはするものの、これといった具体的なものはない。

何しろ司会者の方達は心理カウンセラー等の資格を持っているわけではなく、森田療法によって自分の症状が改善した経験があるというだけなのである。


だが、実は初心者懇談会の数時間の中で、回復の小さな一歩になったことがたくさんある。

それは、

・不安だけど未知のことに挑戦(体験)してみること

・悩んでいるのは自分だけじゃないという

ことを知ること

・人と話すこと

・自分をさらけ出すこと

・本やネットでしかわからなかった、森田療法を体験して改善した方達の生の声を直接聞けたこと

である。


特にこの不安や症状が気になりながらも「初心者懇談会に参加してみた」ということ、そのひとつの新しい体験自体が、森田療法でいう「恐怖突入」を経験して乗り越えたことに

なり、実感はなくても良い経験値を積んだことになって、回復への大きな一歩となったのである。


ちなみにこの日参加しての感想をメモしていたので、そっくりそのまま載せることにします。


・とにかく100%治そうとしないこと

・失敗してもいいから、うまくできなくてもいいからとりあえずやってみる。そうしていくうちにある日気付いたら「あ、そういえば最近症状気にならないな」くらいの感覚になる。

・完治はしない

・症状の波がきてもそれにとらわれず、受け止めてやるべきことをやれるようになるのがゴール

・ま、いっか、やらなくてもいっかとか完璧さを捨てること

・症状が出ることは悪いことだと思っていたがそうじゃない

・昨日より少し前進した、その積み重ね